今回紹介するのは、最近入手した大型本。立体的に見える「ステレオ写真」を集めた写真集です。1850年代にT. R. Williamsという写真家が作ったステレオ写真のシリーズが納められています。本には立体視用のスコープもついていて、それを使えば、誰でも古いステレオ写真が楽しめるわけです。
さて、面白いのはここから(^^)。この本の著者の一人が、ブライアン・メイ"Brian May"なのです。彼は、ロックグループ「クイーン」のギタリストとして、とても有名なミュージシャンなのですが、なんとステレオ写真の熱心なコレクターだったんですね。この本に載っているステレオ写真は彼の長年のコレクションであり、これが出版できた事を非常に喜んでいます(と序文に本人が書いています)。
そして、この本についている「立体視用スコープ」も彼が独自にデザインしたものだそうです。"OWL"と名付けられたこのスコープは、確かにフクロウに似た、楽しい形をしています。
本の中身は、単なるステレオ写真集というだけでなく、充実しています。この写真シリーズが撮影された「村」がどこであったのかは、長い間誰も知らず、忘れ去られていたのですね。それをブライアン・メイと共著者は熱心に調査し、ついにこの村だと「再発見」しているのです。(本のタイトルはこの事からとられています)。村のどのあたりを撮影したのかを特定したりもしていて、見事な「研究本」になっています。ステレオ写真への「コレクター愛」に満ち満ちた、とても素敵な写真集ですよ。おすすめの一冊です。興味をもたれたかたは、アマゾンのこのページから購入できますのでどうぞ。